個人再生にかかる費用と弁護士費用の相場一覧

個人再生(民事再生)

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個人再生の手続き

個人再生の申立てから再生計画の認可決定まで、おおよそ半年ほどかかる個人再生手続きは、どのような流れで進められるのでしょうか。

弁護士に依頼するケースを例に、それぞれのステップについて概要を案内します。

STEP1 受任通知の発送

弁護士事務所に依頼すると、まず「受任通知の発送」を債権者に送ります。

受任通知とは、弁護士が介入することで、取立行為や返済を一時的(再生計画が認可されるまで)にストップできるものです。

ちなみに、上記では受任通知を発送すると取立行為や返済が一時的にストップすると言いましたが、中には例外があるということだけは頭に入れておかなければなりません。この法律は貸金業者以外には適用されることはなく、あくまでも貸金業者のみに適用されるものであります。税金や保険料諸々、親族や友人といった個人の借入に関しては督促が止まることはありません。

受任通知を発送することによるデメリットについても知っておいた方がいいでしょう。まず、信用情報に「弁護士介入」と記されてしまいますので、個人の信用に関しては確実に傷がついてしまいます。

それと、保証人に対しては取り立てが終わるわけではありませんので、何かしらの迷惑は掛かってしまうでしょう。受任通知の送付先の金融機関に預金がある場合、その口座は一切使えなくなるので注意が必要です。

受任通知を発送してもクレジットカードの引き落とし手続きまでに時間がかかりますので、口座に残高が残っている場合は自動引き落としされることがあります。ですので、引き落とし口座に入っているお金は事前に引き出していた方がいいでしょう。

STEP2 引き直し計算

債権者との取引履歴をもとに、利息制限法の上限金利による引き直し計算を行います。

ここで過払い金がある場合は、返還請求の手続きを行います(取引履歴は債権者が開示する必要があるため、通常1~3カ月ほどかかります)。

ちなみに、この返還請求の内容を全て受け入れ、その金額を支払うという金融業者は100%いません。しかし、時効の中断の効果はありますので、この時点で権利が失効する心配はなくなります。

そこから弁護士が過払い金の返還交渉を行い、金額や返還の日時、返還方法などについて協議を行います。返還交渉は裁判外の任意交渉と裁判所での訴訟があり、どちらを選択するかは弁護士と話合って決めることになります。中には任意交渉に応じない金融業者もありますので、その場合は必然と裁判での訴訟となるのです。

そこで、過払い金の回収にはコツがあると言われています。まず、早く解決したいと思うのであれば、任意交渉で和解することで裁判もなくスムーズに事が済みます。しかし、この場合だと本来の過払い金の7割~8割程度しか返ってきません。逆に、裁判だと過払い金の回収にはどうしても時間がかかってしまいます。ただ、本来の過払い金からさらに5%の利息も請求することができますので、結果的に本来の過払い金の105%分を回収することができるのです。

過払い金の返還は裁判で請求することができます。証拠の収集から訴状の作成、そして提出といった全てのことを弁護士が行ってなってくれます。債権額が1件あたり140万円を越える場合は地方裁判所に申し立て、140万円以下の場合は簡易裁判所が行います。ちなみに、地方裁判所で法廷代理人になれるのは弁護士だけですので、借金の金額によっては司法書士では代理人になることはできません。司法書士が代理人となれるのは簡易裁判所のみとなってくるのです。

STEP3 必要書類の準備、申立書の作成

個人再生申立てに必要な書類を準備します。弁護士が代理人となって集めることも可能です。

ここでは、収入と支出がわかるように家計簿を作成して提出することになります。収入の証拠として源泉徴収票や給与明細が必要であり、自営業だとさらに確定申告書の控えや課税証明書なども用意しなければなりません。

支出につきましては、不動産の賃貸借契約書、通帳の入出金記録など用意します。また、資産状況を説明するために、預金通帳や生命保険証券、車検証、不動産登記簿謄本なども準備しなければならない場合もあります。

集めた書類をもとに事務所側で申立書を作成し、裁判所に提出します。

個人再生の申し立ては、住んでいる地域の地方裁判所で行うことになります。ちなみに、現地点で住んでいる地域が優先されるため、住民票のある場所で行うわけではありません。また、地方裁判所で法廷代理人になれるのは弁護士だけであり、司法書士の代理権は簡易裁判所だけとなっています。ですので、個人再生の場合は弁護士に依頼するのが一番手っ取り早い方法となってくるのです。申し立てには裁判所に対して支払う費用が必要であり、この費用は弁護士費用とは別途になりますので注意が必要です。

次に、申し立て書類に不明な点がある場合は裁判官による審尋が行われます。審尋の際は裁判所へ出向かなければならないのですが、中には審尋自体が行われない場合もあります。ちなみに、審尋に関しては地方裁判所によって全然違ってきますので、弁護士に相談することをおすすめします。

ここから個人再生委員の選任が行われます。個人再生委員とは、再生計画案の作成を指導して、個人再生手続きを監督する人のことを言います。裁判所から弁護士が選任されて再生委員となり、東京地方裁判所では即日で選任されます。ここで注意が必要になるのですが、東京地方裁判所以外では個人再生の申し立てを弁護士が代理で行う場合、再生委員は選任されることはありません。弁護士に依頼せずに個人で申し立てを行う場合に限り、個人再生委員が選任されることになるのです。ですので、東京以外だと再生委員が選任されると余計な費用がかかってしまうため、弁護士に申し立てを代行してもらうことをおすすめします。

STEP4 再生委員との面接

裁判所への提出後、弁護士同伴のもとで再生委員と面接を行います。面接では、借金の内容、財産の状況、今後の収入や返済の見込みなどが問われます。

面接後、再生委員の意見を聞いたうえで裁判所が「再生手続開始決定」を出します。また、債権者にもこの決定が知らされ、それぞれの借金額を裁判所に届け出ます。

ちなみに、東京地方裁判所では再生計画の認可後の返済ができるかを試すための運用がなされており、その運用のことを履行可能テストと言います。このテストでは、再生計画案で返済する予定の金額を再生委員へと支払うことになります。履行可能テストは6カ月行い、この期間が過ぎれば再生委員への報酬を差し引いて返金されます。

そして、申立書に不備がなければ申し立てから4週間以内に個人再生の手続きの開始決定がされます。再生委員が選任されている場合は再生委員から意見書が裁判所に提出され、その意見書に基づいて問題がないと判断されれば開始決定となります。

開始決定となれば当然のように債権者にも特別送達で送られます。特別送達を受け取り債権者は個別に主張する借金額を弁護士に通知するのですが、この通知のことを債権届出と言います。そこから債券届出に記されている金額を認めるかどうかの判断をすることになるのです。そこで債権額に異議がある場合、一般異議申述期間に異議の申し立てができます。この異議に対して、債権者は裁判所に評価の申し立てをすることができるのです。

STEP5 再生計画案の提出

再建方法や弁済方法などについて、具体的な債務整理の計画案をまとめた「再生計画案」を裁判所に提出します。

再生計画案には、債務総額、返済方法、返済回数などを計画し、住宅ローン特則の利用も決定します。これを裁判所に提出するのですが、個人再生委員が選任されている場合はそちらにも提出することになります。

小規模個人再生の場合、この再生計画案は債権者にも送られ、債権者が合意すれば書面決議となります。

上記のように、実際に債権者と会って話し合いをするわけではありませんので、本人的には決してハードルが高いというわけではないのです。

STEP6 再生計画の認可

再生計画案の返済計画の通りに債務者が返済できる見込みがあると裁判所が判断すれば、「再生計画認可決定」が出されます。

なお、再生計画案が確定するのは、この決定から約1カ月後です。

小規模個人再生の場合、「反対意見を出さない」という消極的同意が必要となり、この同意には2つの高いハードルが存在してくるのです。

「消極的同意の数が過半数を超えていること」、「同意された債権額が過半数を超えていること」、の2つになってきます。

そして、個人再生委員からは意見書が提出され、ここまでの債権者と再生委員の意見を考慮し、最終的な認可の決定を裁判所が行うことになるのです。ここで上記でも説明した2つの高いハードルである過半数を超える同意を得られるかが大きなカギとなっているのは間違いありません。

STEP7 返済スタート

返済が始まるのは、再生計画認可決定の確定した翌月からとなります。返済計画の通りに、債権者へ返済していきましょう。

最後に個人再生にかかる期間なのですが、再生委員が選任される東京地方裁判所と、他の裁判所では個人再生にかかる期間に大きな違いはありません。全体として、約9カ月~11カ月が大きな目安となります。

そして、申し立てから認可の決定までは25週間かかり、これは民事再生法で決まっていることなので動かしようはありません。

といったように、全てが滞りなく終了するのに約1年はかかると思っておいた方がいいでしょう。