個人再生を申立てることで、返済額はどれくらい減るのでしょうか。ここで、返済額の計算式とシミュレーションを紹介します。
個人再生の返済額は、「最低弁済額」「所有する財産の総額」「過去2年分の可処分所得(給与所得者等再生で申立てた場合)」のうち、いちばん多い額になります。
返済額を知るには、それぞれがどのような公式で算出されるのかを知る必要があるでしょう。
まず最低弁済額ですが、これは「債務の総額」に応じて決まります。
債務の総額 | 最低弁済額 |
---|---|
100万円未満 | 全額 |
100万円~500万円未満 | 100万円 |
500万円~1,500万円未満 | 債務総額の5分の1 |
1,500万円~3,000万円未満 | 300万円 |
3,000万円~5,000万円未満 | 債務総額の10分の1 |
例えば、
といった具合に、最低弁済額が決まります。
所有する財産とは、預貯金や車、持ち家(不動産)など、自分名義となっている財産の総額のことです。
車や不動産は、個人再生を申立てするときの時価で決まります。
例えば車の場合、買取業者に査定してもらうことでわかります。その際、査定書を発行してもらいます(インターネットの簡易査定でも可)。
また、不動産の場合は仲介業者に査定してもらうか、「固定資産評価額証明書」でも可能です(固定資産評価額証明書は、役所の税務課などで発行してもらえます)。
給与所得者等再生で申立てた場合、「過去2年分の可処分所得」も調べる必要があります。
過去2年分の可処分所得は、給与所得者が過去2年間に得た収入合計額から所得税や住民税、社会保険料、それに最低限必要な生活費を除いて算出します。
上述の通り、個人再生の返済額は「最低弁済額」「所有する財産の総額」「過去2年分の可処分所得」を比べて、いちばん多い額で決まります。
例えば、債務総額が2,500万円の方の場合、最低弁済額は300万円ですが、預貯金や車などの「所有する財産の総額」が500万円、「過去2年分の可処分所得」が700万円だとすれば、返済額は700万円になるのです。
給与所得者の場合、この「過去2年分の可処分所得」がいちばん多くなる場合がほとんど。そのため、給与所得者等再生ではなく「小規模個人再生」で行う方が多いようです。